80年代後半から90年代前半の第2次バンドブームをリードしたロックバンドJUN

 SKY

 WALKER(S)が完全復活し、来年から活動を再開することが9月30日、分かった。97年6月の解散後、07年に1度再結成し、翌08年に結成20周年ツアーを行って活動を終了していた。今回は新曲を用意し、ベース寺岡呼人(43)が主宰する10月25、26日の東京・日本武道館でのイベント「Golden

 Circle」で初披露する。ステージ上で“対バン”するユニコーンも復活を祝福した。

 ジュンスカ再始動のきっかけは、3月11日に発生した東日本大震災だった。チャリティー活動のために3年ぶりの復活を決め、まずは衣類などを被災地に送ろうと考えた。ただ「僕らは音楽をやっている。伝えるのはライブしかない。音楽は人を元気にするパワーがある」(寺岡)と、東北6県を回る「Walk

 to

 TOHOKU」ツアーを1日から行うことにした。

 「日本を元気にする」という思いで動いているうちに、寺岡は全盛期のジュンスカを応援していた30代後半から上の世代のファンを元気づけたいと思うようになり、新曲をつくり始めた。

 寺岡

 バンドブーム世代を熱い気持ちに出来ないか。社会人になり、うつや自殺とか問題を抱えている人も多い。音楽で居場所を与えたい。いくつになってもライブハウスに来て熱くなれると感じてもらうことが、日本を元気づけること。新曲と自分たちの今の青春をさらけ出す作業が大事。

 日本の音楽シーンが、10代向けにシフトする傾向が強いことにも疑問を感じてきた。「いつまでたっても文化にならない気がする。過去こんなすばらしい音楽があったのかと、若い人たちを目覚めさせたい」。ゆずや植村花菜の「トイレの神様」のプロデューサーとしてしか寺岡を知らない若い世代に、自分たちの音楽を伝えたい思いも強い。

 武道館で初披露する新曲を引っさげ、来年、日本の音楽シーンに殴り込みをかける覚悟は固まった。「中年のプロレスラーのように自分たちが汗かいて、もがいて、必死な感じを見てもらいたい」と笑った。

 「トイレの神様」など、自らがプロデュースした曲のカバーについては「あそこまで技術がないかも(笑い)。でも昔分からなかったことに気付いたりする。ボーカル(宮田和弥)の歌をとっていて、日本で一番スローバラードがうまいんじゃないかと思った。彼に合ったものをカバーできたら、感動するかも知れない」と目を輝かせた。【村上幸将】

 ◆JUN

 SKY

 WALKER(S)

 1980年(昭55)にボーカル宮田和弥、ギター森純太、ドラム小林雅之らで結成。88年にベースの寺岡が加入し、5月21日に「全部このままで」でメジャーデビュー。89年に武道館公演を達成。ユニコーン、THE

 BLUE

 HEARTS、THE

 BOOMとともに「バンド四天王」と呼ばれる。97年6月14日の日比谷野外音楽堂でのライブで解散。07年に10年ぶりに再結成し、同年と翌08年に結成20周年を記念したライブを開催、同12月に活動を終了した。