<連載「気になリスト」(69)>

 昨年末からテレビ出演し始めたスピリチュアル女子大生タレント、CHIE(21)が、4月9日から初の冠番組を持つことが5日、分かった。テレビ東京系バラエティー番組「おしかけスピリチュアル」(火曜午後11時58分)。抜てきされた理由は、正直で粗削りな鑑定にある。

 能力を確認すべく、鑑定してもらった。柔和な笑顔から突然、瞳孔の開いた目つきの真剣な表情に変化。私の方向を見ているが、視線の距離感は私よりも前方や後方の宙を見ている。「純粋さ」「マイペース」を表す緑と、「好奇心」の黄色のオーラだという。「ただ、右の首だけ青。痛めていませんか?

 少し気になります。海外の山々と若いきれいな女性が大勢見えます。ただ、それらが何を意味するかまでは、私にはまだ分からないんです」。

 14歳のときに、交通事故の後遺症で頭痛が起きて意識不明になったことがきっかけだった。病院で目覚めると「脳の海馬損傷。全生活史健忘症と診断されて、目の前で心配する母のことから話す言葉まで、全部の記憶を喪失していたんです」。それと引き換えに、この日を境に、特殊な能力が身についていたという。

 少しずつ知識を取り戻しても、夢も希望も持てず、他人には見えない霊やオーラばかりが見えて、戸惑う日々。「自分探しのためにお寺や神社で修業してみたんですが、謎は解明されないまま。反動で、テレビの中で人を笑わせてるイモトアヤコさんに憧れて、同じ芸能事務所の芸人養成所に入ったんです」。

 ある日、自分も出演した若手の芸人コント大会で「事前に芸人仲間と遊びで30組の順位予想をしてみたら、天文学的確率なのに、全部的中しちゃって。私の能力が皆にバレちゃったんです」。そこに目を付けた事務所から、スピリチュアルタレントへの転身を命じられて、今に至る。

 「ただ、この能力が嫌いで仕事にする考えもなかったし、見えるものの意味を知る参考書があるわけでもないですよね。だから、これから統計データを取っていって、意味を学んでいかないと。まだ私自身が修業中ってことなんです」

 強い口調で言い切る占い・鑑定タレントとは、全く違う雰囲気だった。【瀬津真也】

 ○…鑑定された私に対する「マイペース」「好奇心」指摘は当たっていた。確かに首も弱くて痛めやすい。同席した関係者は、痛めている左肩を的中されていた。また、関係者には「胸に白いバラの束」と見えるものを説明していたが、やはり、「それが何を意味するかは、はっきり分からない」と言った。無理に共感させようとはせず、見たものを正直に話しているところに、新しさを感じた。

 ◆CHIE(チエ)1991年(平3)12月20日、群馬県生まれ。中1のとき自転車で転び、頭部負傷。2年後、後遺症で倒れる。その後、人のオーラや霊、小人などが見えるように。18歳でワタナベエンターテインメントのタレント養成所に入所。特技は手話、霊視、打楽器、バルーンアート。152センチ。(3月6日付

 紙面から)

 [2013年3月7日1時22分

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