子役出身で数多くのドラマやCMに出演している女優吉田里琴(りこ=13)が、人気演劇集団キャラメルボックスの「雨と夢のあとに」(7月27日~8月18日、東京・池袋のサンシャイン劇場)で初舞台にして、初主演に抜てきされた。

 柳美里氏の小説が原作のファンタジー作で、実生活と同じ中学2年の桜井雨を演じる吉田は「正直、怖いです。緊張がハンパないです。父役の大内(厚雄)さんに『真っ白になったらどうすればいいですか?』と聞いちゃいました」と話す。しかし、すでに度胸と女優魂が垣間見えている。

 5歳で仕事を始め、6歳で深夜ドラマで主演した。吉田は「現場で走り回るような暴れん坊でしたが、主演作でスタッフさんに注意されて、仕事をしている感覚が分かりました」と当時を振り返る。

 以来、テレビ朝日系「ハガネの女」、TBS系「夜行観覧車」など人気ドラマに出演してきたが、なぜかいじめっ子の役が多い。多感な年齢だけに戸惑いそうだが、吉田は違う。「学校で『いじめてたね』『怖かった』と言われるとうれしいです。その役になりきっていたってことなので」。

 今月24日からは、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」に、アイドルグループの新人役で登場し、歌やダンスにも挑戦。「いつかは朝ドラのヒロインをやってみたい」と、新たな夢も出てきた。仕事と学校の両立で忙しいが、「将来、海外で活躍したい」という希望から英語と中国語も勉強中。夢に向かう気持ちを努力が後押ししている。【小林千穂】

 ◆吉田里琴(よしだ・りこ)1999年(平11)10月28日、東京生まれ。05年、「爽健美茶」のCMでデビュー。06年、テレビ東京系「しにがみのバラッド。」でドラマ初主演。以来、NHK「坂の上の雲」、日本テレビ系「ギネ

 -産婦人科の女たち-」、フジテレビ系「リーガル・ハイ」など多数のドラマ出演。昨年、綾瀬はるか主演の映画「ひみつのアッコちゃん」で、少女のアッコを演じた。156センチ、血液型B。