<連載「気になリスト」(19)>

 8月にデビューしたシンガー・ソングライター片平里菜(21)が、福島県在住という境遇や情熱的な歌声で話題だ。デビューシングル「夏の夜」は出荷1万枚を突破。ラジオを中心に活動しながら、大自然に囲まれた福島の実家で制作活動にいそしんでいる。

 実家は住宅地だが、徒歩圏内に田んぼが広がり、幼少期は近所の山で虫を捕ったりして遊んでいた。「牛を飼っていたり、イノシシを捕まえた子もいました」と笑う。運動神経も抜群で小学生時には800メートル走で県1位。関係者も「野性派です。4月の全国20カ所ツアーの時、宿や対バンの手配をほとんど自分でこなして、睡眠時間は1日3時間くらい。移動の車内で寝て体力を回復してました」。

 高1で歌手を志し、高3から作曲活動を開始。当時は迷いもあった。「周りが就職や進学を決める中、もやもやしていた。やっぱり東京に行かなきゃしょうがないのかなと」。

 大震災が「福島在住」という異色スタイルを決断させた。「震災をきっかけに地元のいろんな人とのつながりができた。地元で頑張って地道に音楽活動している人とも出会えた。何より福島がもっと好きになった」。都内で仕事がある時は新幹線で約2時間かけて上京しているが、作詞作曲はもっぱら実家の自室で行う。「やっぱり福島が一番。リセットできるんです」。

 震災5カ月後の11年8月に、10代歌手のロックフェス「閃光ライオット」で審査員特別賞を受賞し、メジャーデビューへの階段を駆け上がっていった。大自然で培われ、ファンや関係者からは「エモーショナル」と呼ばれる歌声を武器に頂点を目指す。「もっと個性を磨き、唯一無二の存在になりたい。いつか大きな会場で歌ってみたいけど、それ以上に誰もやったことない、変わった所でライブをしたい。ジャングルとか砂漠とか…」。【横山慧】

 ◆片平里菜(かたひら・りな)1992年(平4)5月12日、福島県生まれ。洋邦問わず音楽好きの父親の影響で幼少期から音楽に親しむ。中3までバスケット部に所属。3歳年上の兄の影響でギターを弾くようになり、高3の夏に「夏の夜」を制作。JR福島駅などで路上ライブを行う。12年1月からはTOKYO

 FM「SCHOOL

 OF

 LOCK!」に出演。164センチ。血液型B。