歌手赤西仁(29)がジャニーズ事務所との契約満了に伴い、2月末で同事務所を退社したことが1日、分かった。赤西と同事務所が協議し、契約満了をもって再契約をしないことで合意した。事務所側は、経緯を明らかにしていないが、海外志向が強く、王道アイドルを好まない赤西の意向を受けた結果とみられる。

 異端児の赤西が、ついにジャニーズ事務所を離れた。取材によると、再契約の話し合いは昨秋から時間をかけて行われていたが、2月末日の契約満了をもって、再契約を行わないことで合意したという。赤西は昨年11月中旬から約1カ月間、全国5カ所を回るクラブツアーを開催。その後、表だった活動はなかった。

 事務所関係者は、赤西と再契約を行わなかった経緯の詳細を明かすことはなかった。しかし、その背景には、赤西と事務所側との活動方針と音楽性の違いがあったとみられる。赤西は海外志向が強く、全編英語詞やヒップホップ調を好んできた。一方で、KAT-TUN時代からアイドル的な活動や、売り上げを伸ばしやすく、分かりやすい王道アイドルソングを好まなかった。

 赤西は、KAT-TUNがCDデビューした06年に米ロサンゼルスへ語学留学し、10年にはグループを脱退した。ジャニーズのアイドルが活動を続けているグループから離れ、事務所に残ること自体が、当時は異例だったが、事務所側からはソロ転向後も手厚いサポートを受け、熱望していた米国デビューも11年11月にかなえた。しかし、12年2月には赤西が事務所に事後報告で女優黒木メイサ(当時23)とできちゃった結婚。各所に迷惑をかけたとして、事務所から全国ツアー中止、ドラマ主演のキャンセルなどペナルティーを科され、1年5カ月にわたって芸能活動休止状態が続いていた。一方で、事務所側から契約を解除されることはなく、昨夏からは活動を再開していた。

 赤西の今後の活動については未定。同ツアーのDVDは予定通り、4月2日に発売される。赤西の所属レコード会社、ワーナーミュージックは「現段階ではDVD発売以降のシングル、アルバムの予定はありません」としている。