STAP細胞論文問題で渦中にいる理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子研究ユニットリーダー(30)の代理人三木秀夫弁護士が7日、フジテレビ亀山千広社長宛てに抗議文を送ったことを明かした。同局は3日放送予定だった「めちゃ×2イケてるッ!」で小保方氏を思わせるコントの予告をネット上で公開。三木氏は放送前日2日に送付した抗議文で法的措置に出る可能性も示し、この日あらためて「人権侵害への意識が薄い」と批判した。

 番組公式サイトでは、4月9日の小保方氏の会見を思わせる「阿呆方さん」コントの予告映像が1日まで公開されていた。三木氏は「誰が見ても会見を思わせる内容。スリッパでたたくというのも誹謗(ひぼう)中傷の他でない」と批判。予告映像はタレント重盛さと美が会見時の小保方氏のような服装で「あります!」と話し、スリッパでたたかれる内容だった。この予告は一部テレビでも放送された。

 三木氏によると、番組放送前日の2日午前に、同局に電話で問い合わせ、午後に社長宛ての抗議文をファクスと郵便で送付。午後5時30分ごろに、番組責任者から電話連絡があった。番組側からは<1>「阿呆方」という名称を使わない<2>予告映像を流さない<3>STAP細胞自体は中傷しないよう努めるなどと説明された。

 さらに「局内でも大議論になっている。かなりトーンを落とした内容なので(放送しても)いいでしょうか」と打診されたという。三木氏は「いいとは言えない。放送するなら内容を見て考えます」と応じた。

 送付した抗議文では人権侵害行為をしないことや、内容がひどい場合には、民事、刑事を含め法的措置に出る可能性も示したという。3日の放送ではこのコントは放送されなかった。

 バラエティー番組で取り上げられる事態に三木氏は「関心をいただいている表れとも解釈できる。だが、一私人で、こういう状況に置かれている弱い立場なので、たたくような笑いの取り方はやめてほしい」と訴えた。予告映像がネット上で拡散されるなど広がってしまったことも危惧した。「『阿呆方』という言葉が定着するようなことで残念に思う。半永久的に(ネット上に)残ってしまうなら、そもそも予告を出したことが人権侵害。意識が非常に薄かった」と指摘した。

 小保方氏本人は友人からの連絡などで予告内容を知っていたという。三木氏が同局に抗議することには「お願いします」と同意。現在も入院中で医師からは「(弁護団との)打ち合わせを減らしてほしい」と求められているという。