【ニューヨーク5日(日本時間6日)=横山慧】モーニング娘。’14が、ニューヨークコンサートを行った。米国での本格的な単独公演は初。世界各国から集まったファンたちを熱狂させた。

 開演前から、ファンたちの「モームス!

 モームス!」という絶叫が響いた。BGMが変わった瞬間、メンバー10人が次々に登場。ブロードウェーのど真ん中にある「ベストバイシアター」の広いステージで、美しく列をなして熱唱した。髪や目の色もさまざまなファンたちは、ペンライトを何度も振り上げ、悲鳴のような大歓声を上げた。

 初のニューヨーク公演。09年にロサンゼルスで行われた「アニメ・エキスポ」内でライブを行ったことはあるが、米国での全員有料(チケット42ドル=約4600円)の単独公演は初めてだ。観客2000人のうち日本人は約1割。米国人を中心にカナダやメキシコ、英国やペルーなど各国から多数のファンが訪れた。

 「新生モー娘」を、海外ファンにお披露目する絶好の機会だった。12年から、隊列を組んで手や足の動きで表現する「フォーメーションダンス」を導入し、磨きをかけた。「アイドル戦国時代」の日本でも、パフォーマンス力には定評がある。ハワイ在住の男性ファン、エリック・トラベックさん(20)は「モー娘のダンスはワンダフル。アメリカにもこんな質の高いパフォーマンスをするアーティストはいないよ」と話す。

 ライブでは新曲「TIKI

 BUN」や、「LOVEマシーン」などのかつてのヒット曲も披露。11月に卒業するリーダー道重さゆみ(25)のソロ歌唱時にはファンたちの計らいで、道重のメンバーカラーであるピンクのペンライトの光で会場が埋まった。

 喉頭がんが完全寛解し、会場を訪れたプロデューサーのつんく♂(45)は「今までやってきたことや作ってきたことは間違いではなかった」。生田衣梨奈(17)は「今度は、世界ツアーをやりたい!

 以前先輩たちも公演をしたフランスに行って、新しいモーニング娘を見てもらいたい」。米国ファンの大きな反応に手応えを得たモー娘は、確実に輝きを増していく。

 ◆モー娘の海外公演

 08年、台湾、韓国、中国で初のアジアツアーを行い海外デビュー。09年にはロサンゼルスで行われた「アニメ・エキスポ」イベント内でライブ。10年にはパリで「ジャパン・エキスポ」開催時、完全有料の単独コンサートを開催した。12年には世界握手会を行い、パリや東南アジアなどを訪れた。海外の人は、ネット動画でモー娘の曲を知って繰り返し見てファンになる場合が多いという。各地にモー娘やハロー!プロジェクトのファン団体があり、ニューヨークのファンサークル「ハロプロ・ファンダム」には500人以上が参加。