<W杯アジア2次予選兼アジア杯予選:日本3-0カンボジア>◇E組◇3日◇埼玉

 右サイドDF酒井宏の動きが光った。サイドをえぐって10回以上、良質のクロスを上げた。しかしその後の展開が乏しい。中央にヘディングの強い長身の選手がいないため、ボールは相手にクリアされるか、逆サイドに流れていった。点が入らない重苦しいムードの中、確率が低いミドルシュートでしか打開できないのは望ましくない。

 相手を考慮した選手選考をすればどうか。身長の低い相手との対戦なのに、高さに絶対の強さを持つFW豊田(鳥栖)を外すのはどうかと思う。この日の相手なら、日本がパスを何本もつなぎ、チャンスをつくるより、ルーズなボールを前線に放り込むだけで、大きなチャンスが生まれる。相手もその方がやりづらい。

 3年後の年齢を考えてFW大久保(川崎F)を選ばないなど、ハリルホジッチ監督なりの考え方はあるかもしれないけれど、2次予選、最終予選はその時の状況に応じて、臨機応変に人選した方が、いざ本大会になった時に、選択肢が増えるはず。前のザッケローニ監督も、高さは捨てると言っていたが、結局本番では身長の高い選手を前に入れたのだから。(日刊スポーツ評論家)