<国際親善試合:日本2-1オーストラリア>◇18日◇ヤンマー

 日本は、前半と後半で別のチームになっていた。サッカーは、うまくいかない時間帯があるし、指揮官がチームにスイッチを入れるタイミングを間違えれば、90分間、平凡なプレーで終わることもある。

 なぜ、前半と後半が違ったか? 前半は中盤の守備力が足りず、35分から中盤の並びを微調整したが、それでもうまくはまらなかった。そのため、攻撃も生きない。後半は、攻撃的な選手を入れて得点を狙う選択肢もあったが、アギーレ監督は違う選択をした。守備能力の高い今野を入れて中盤の守備力を上げた。高い位置でボールが奪えるようになり、攻撃が生きた。

 新体制6戦目を終え、新監督のサッカーが少し見えてきた。守備を重視する戦術が基本で、速い攻撃を仕掛ける。セットプレーも得点源として大事に扱う。攻撃陣にタレントをそろえている日本としては、いい守備ができた時、その破壊力が増す。勝負師として、まず守備力を上げることは当然の選択といえる。今回の2戦は、強い日本、常勝日本復活へ、勝負師の戦略に期待が膨らむシリーズとなった。(日刊スポーツ評論家)