<J1:浦和0-2G大阪>◇第32節◇22日◇埼玉

 残り試合を考えれば引き分けでも良かった浦和は、なぜ前半からあれだけ飛ばしたのか。勝利へ焦る気持ちが体力を消耗させた。勝負を急いだ理由が、まったく分からない。最後の連続失点による敗戦のダメージは深い。

 G大阪が浦和のような焦りを見せても不思議ではなかったが、長谷川監督のベンチワークが光った。後半途中から抜群のスピードを持つリンスを投入。前がかりな浦和からカウンターで攻め込むには適任で、先制点はリンスが絡んだし、2点目もリンスが今野、倉田の間に立ち、マークを分散させた。宇佐美、パトリックをベンチに下げてまで打った勝負手が、まさに白星に直結した。

 浦和の次戦相手は、優勝の可能性がある鳥栖だ。G大阪は神戸、徳島と続く。追うG大阪が精神的にも有利になった。(日刊スポーツ評論家)