<クラブW杯:鹿島3-0ナシオナル・メデジン>◇準決勝◇14日◇吹田S

 鹿島はJリーグ・チャンピオンシップ準決勝川崎F戦の時から「守って、守って、カウンター」という戦い方がうまくいっている。決して横綱のようなサッカーではないが、相手をリスペクトして、現在の自分たちができる「強くないチームの戦い方」を貫いている。今日もそれが生きた。

 ただ、申し訳ないが鹿島が勝ち上がってきたことは、大会のレベルが落ちてきたことの表れだ。ナシオナル・メデジンの選手の中で、日本でも名前が知られている選手は何人いただろうか。以前と比べ、南米の選手は少し結果を出すと、すぐに欧州に行ってしまう。それがクラブを弱体化させている。モロッコ開催だった13年。ロナウジーニョのいたアトレチコ・ミネイロが準決勝で敗退した。あのあたりから南米勢ははっきりとレベルが落ちてきた。

 鹿島は決勝でも今日と同じ戦い方をするしかない。勝てなくても、Rマドリードを慌てさせれば上出来だろう。万が一、クラブ・アメリカが準決勝でレアルに勝ち、日本対メキシコの決勝戦になったら、レベルの面でも、興行面でも大会は大失敗ということになる。(日刊スポーツ評論家)