<アジア杯:日本1-1ヨルダン>◇9日◇1次リーグ◇B組◇カタール
日本代表(FIFAランク29位)はヨルダン代表(同104位)相手に引き分けた。
日本代表のMF香川真司(21=ドルトムント)が、不発に終わった。昨年のW杯南アフリカ大会後に代表引退を表明した中村俊輔(横浜)の背番号「10」を初めて背負い先発出場。前半41分の決定機など、数少ないチャンスを得点に結びつけることはできなかった。次節シリア戦でゴール決め、日本を今大会初勝利へと導く。
これが背番号「10」の重圧か。悔しさと、何もできなかった自分への怒り。ピッチを引き揚げてくる香川の表情はさえなかった。初めて日本のエース番号を背負った試合で、FIFAランク104位の格下ヨルダンに大苦戦。後半ロスタイムに引き分けるのがやっとだった。点を決められなかった。21歳の新星は責任を自分に押しつけた。
香川
勝ちたかったので残念です。予想以上に難しい試合で、スペースが使えなかった。チャンスがあったのに、あれは決めていかないといけない。(アジアでも)そう簡単に勝てない。それが悔しいです。
数少ない決定機をものにできなかった。前半41分に左サイドから中央へ走り込み、相手DF2人の間を縫ってボールを受けた。針の糸を通すような動きでシュートまで持ち込んだが、決めきれない。後半13分からは本田に代わって所属のドルトムントで慣れ親しんだトップ下へ。直後にDF2人をかわしてループシュート。それもGKに簡単に止められた。引き気味の相手にそう多くはチャンスを作れない。ゴールを挙げられないまま最後までもがき、苦しんだ。
重圧がかかることは、初めから分かっていた。昨年末、非公式に日本の「10番」を打診された。ラモス、名波、ゴン中山ら歴代の偉大な選手が背負ってきた番号を受諾するか迷っていた。その際に独り言のようにこう漏らしている。
「どれだけのプレッシャーがかかるんですかね。10番って。日本代表の10番でしょ。オレが付けてもいいのだろうか。他に付けるべき選手がいるかも知れない。まだオレには早いのかも…。そう思う半面、今から(10番を)背負って、これからの日本を背負っていった方がいいと思う自分もいる。複雑なんです」。
昨年のW杯南アフリカ大会に出場できなかったから、誰よりも14年ブラジル大会への思いは強い。迷った末に10番を受け継いだのは、日本を引っ張っていくという決意表明でもあったのだろう。その初戦で日本は苦戦し、香川自身も無得点に終わった。
香川
次は負けられない。今日の経験を生かして勝ちたいです。
21歳の挑戦は始まったばかり。屈辱も、悔しさも糧にして、香川が次戦に臨む。

