W杯アジア2次予選アフガニスタン戦に6-0で大勝した日本代表が9日、開催地の中立地イラン・テヘランのイマーム・ホメイニ国際空港内で解散した。DF吉田麻也(27=サウサンプトン)ら海外組は欧州に向かった。吉田はテヘランを離れる前に、あのFKについて語った。バヒド・ハリルホジッチ監督(63)や国内組は中東経由便で日本に到着した。

 6つも決まったゴールより、ある意味印象に残るシーンだった。アフガニスタン戦の後半31分。守備の要の吉田が本田の左隣に立ちFKのキッカーに名乗りを上げたのだ。右利きの吉田に有利な位置だったが、そもそも実績はゼロに近い。あの本田が「気づいたらマヤがいた」と思わず? 譲ってしまう一種のサプライズだった。何か物申してまで強引に奪ったわけでもなく、壁に当ててあえなく失敗と結果も出なかったが、その決断には1つの思いがあった。

 「あれは決めたかったですけど、日本にはセンターバック(CB)だからFKを蹴ったらダメだとか、ミドルシュートも打たないという、固定概念のようなものがあると思うんです。でも、そういう考えにしばられていたらいつまでたっても日本のCBは成長しない、僕はそう思っているので」

 3日のカンボジア戦では、ハリルホジッチ監督の指示を遂行する右足ミドル弾で貴重な追加点を奪った。中4日の一戦で今度はFKにチャレンジ。プレミアリーグに戻れば、再び厳しい定位置争いが待っている。日本人CBの誇りを胸にサッカーの母国で戦うサムライの、メッセージ付きの9月、代表2戦のふた蹴りだった。【八反誠】