鹿島MF小笠原満男(28)が岡田ジャパンの救世主に名乗りを上げる。29日、日本代表が予選初黒星を喫したバーレーン戦の感想を聞かれ、日の丸への思いがあふれ出た。「そんなに(W杯予選は)簡単じゃない。次勝っていけばいいし、悲観することもない」。そして苦闘を外から見守るしかない現状に、焦燥感を募らせた。「試合を見たり、チームメートが代表に行ったり帰ったりするのを見ると寂しい気持ちになる」。

 久しく代表戦を見ていなかった。06年W杯ドイツ大会後、イタリアに渡り、日本戦をテレビで見る機会はなくなった。昨夏帰国し、内田、田代ら鹿島の同僚が選出されたのをきっかけに久々にバーレーン戦をテレビ観戦。「見ちゃったんで(代表への)気持ちがどんどん強くなる」。

 今日30日の横浜戦を日本代表の岡田監督が視察する。バーレーンに負けて「これからはオレのやり方でやっていく」と決断した同監督が、出直し最初の視察に鹿島横浜戦を選んだ。小笠原はオシム前監督時代にも現在と同じ代表スタッフから強く推薦された。中盤の再編が予想される中で、有力な候補として名前が挙がる情勢だ。

 昔とは違う小笠原の姿がある。「代表に入ったらという仮定の話はできない。でも今なら違った自分を出せると思う」。守備意識を高く持って体を張り、機を見た攻撃参加と絶妙な攻守のバランスが備わった。「もう1回代表に入ってW杯で戦いたい気持ちがある」。MF山瀬、DF中沢と岡田ジャパンの中心選手を擁する横浜との戦いで、圧倒的な存在感を見せつけるつもりだ。【広重竜太郎】