岡ちゃんが「オレ流」の軸に俊輔を指名した。日本代表の岡田武史監督(51)が15日、都内で3カ国対抗の国際親善大会キリン杯(22~27日)の日本代表27人を発表。これまで招集を希望しながらかなわなかったMF中村俊輔(29=セルティック)を就任後、初めて招集した。6月のW杯アジア3次予選4連戦、さらに最終予選の中心に据えるべく、キリン杯パラグアイ戦(27日、埼玉)での起用をただ1人明言した。

 恋人との再会を待ち焦がれているようだった。中村俊、松井、長谷部の欧州組3人についてコメントを求められた岡田監督が、昨年12月の就任後、初めて招集する「恋人」への熱い思いを口にした。

 岡田監督

 ビデオで彼ら(欧州組)のほとんどの試合を見ている。実際にチームに入って、どれだけ機能するか見てみたい。それぞれスペシャリティー。俊輔なんか技術、キック、非常にいいものがあるので、それをうまく組み合わせられないかな、と考えている。

 W杯アジア3次予選では2月のタイ戦、さらに3月のバーレーン戦でも中村俊の招集を希望した。しかし、所属するセルティックの試合が直前に組まれ、強行日程を回避して招集を断念した経緯もある。今回も22日(日本時間23日未明)にリーグ最終ダンディーU戦があるため、24日のコートジボワール戦の出場はかなわない。それでも「27日(パラグアイ戦の出場)は大丈夫。よっぽどコンディションが悪くない限り。これが(W杯)予選だときついけど、テストマッチだから大丈夫」と同監督は中村俊の起用を明言した。

 一方、スコットランドで招集の知らせを受けた中村俊は「選ばれて光栄。欧州にいると代表で過ごせる日数は限られてくるから、大事にする。(チームが予選で)もう1敗しているから、みんなで1つになって勝たないといけない」と気合十分に話した。

 3月のバーレーン戦ではいいところなく敗れた。直後に岡田監督は「オレのやり方でやっていく」と『脱オシム』を宣言。今回はオシムチルドレンの山岸、羽生、水本を外し、常連だった加地も選出しなかった。過密日程が続く中、24日のコートジボワール戦は選手のコンディションを見ながら起用する方針だが、「27日にはコンディションがそろう」(代表スタッフ)とパラグアイ戦でW杯3次予選の4連戦をにらんだベスト布陣を組む方針だ。故障の稲本、中田を招集できない誤算の中、岡田監督は中村俊を軸にした「オレ流」でW杯予選を勝ち抜いていく。【岡本学】