G大阪DF加地亮(28)が日本代表を引退することが19日、分かった。03年に初めて代表入りし、不動の右サイドバック(SB)として活躍してきたが、代表では全力を出し切ったという思いから決断した。キリン杯(24、27日)に向けた合宿メンバー発表の15日までに、代表の岡田武史監督(51)にも伝えていた。近日中に正式表明する。国際Aマッチ64試合出場という偉大な功績を残し、日の丸に別れを告げる。

 日本を支えてきた不動の右サイドバック(SB)が、代表から身を引く覚悟を決めた。関係者によると、既に西野監督とも話し合い、今後は所属するG大阪の活動だけに専念する意向を示した。今日20日に始まる代表合宿には招集されなかったが、15日のメンバー発表前に関係者を通じて岡田監督にも代表引退の意向を伝えていた。

 ジーコ元監督時代の03年10月に初招集されてから、常にレギュラーとして君臨してきた。国際Aマッチは64試合出場。故障などで招集不可能な時を除けば、メンバーから外れたことはなかった。しかし、岡田ジャパンになって、右SBに20歳の内田が台頭。2月の東アジア選手権では、ほとんど経験のない左SBで起用された。既に代表では力を出し切ったという思いが強かったことから、今回の決断に至ったようだ。

 ここ数年は「代表のことは全く考えていない。まずクラブで頑張ること」と繰り返してきた。3年ぶりの王座奪回を狙うリーグ戦は、17日に首位浦和撃破に貢献してV戦線に踏みとどまった。クラブ史上初の1次リーグ突破を決めたACLは、9月から決勝トーナメントも始まる。過密日程の中で全タイトル獲得を狙うG大阪で、最高のプレーを見せるための選択でもある。

 今季はJ1開幕直前の3月6日に右太ももを打撲。公式戦11試合を欠場したが4月27日神戸戦で復帰し、体調はベストに近づいている。代表に別れを告げた加地は、G大阪でのプレーに全力を尽くす。