前日本代表監督のイビチャ・オシム氏が、現場復帰への意欲を熱血指導で示した。7日横浜市・東京横浜ドイツ学園を訪問。昨年末に脳梗塞(こうそく)で倒れて以来初のピッチで、ドイツ人中学生に約30分間オシムイズムを注入した。4対2や3対3のパス交換練習。サイドチェンジの意識を植え付けるミニゲーム。メニューはくしくも、06年8月の初代表合宿で、選手たちに課したものとまったく同じだった。

 「(指導の)復習をする上で、いい機会だった」とオシム氏。指導の前後もあわせると、つえも突かず1時間以上も立ち続けた。1日3時間以上ものリハビリの成果に、関係者は「驚異的な回復」と驚く。本人は「事前に医師に言ったら、ダメと言われたかもしれないが、テストしてみた」とサラリ。8日に欧州選手権観戦のため、自宅のあるオーストリアに出発するが、なんと到着の空港から試合会場に直行する。「特に決勝トーナメントでは、サッカーのトレンドが見られるので、注目したい」と意欲的だった。