闘莉王が大久保擁護「あいつは悪くない」
【バンコク(タイ)9日】日本代表DF田中マルクス闘莉王(27=浦和)が、7日のオマーン戦でGKに蹴りを入れ、一発退場となったFW大久保嘉人(26=神戸)をかばった。日本代表は14日のW杯アジア3次予選タイ戦に向けて、バンコク入りし、完全休養。闘莉王は「あいつはチームのために戦っている」と語り、批判が集中する大久保を擁護した。代表屈指の闘志を持つ男は最終予選進出へ、大久保の分まで戦うつもりだ。
同じ熱血派ならではの共感があった。闘莉王はオマーンGKにキックを見舞って一発退場となった大久保を気遣った。「あいつは悪くない。自分のためにではなくチームのために戦っている男だから」。アテネ五輪から日の丸を背負って一緒に戦ってきた。責めるつもりは一切なかった。
大久保は責任を痛烈に感じている。オマーン戦終了後、岡田監督に「ボケ!」と一喝され、協会幹部にも厳しく叱責(しっせき)された。宿舎に戻ると、岡田監督に泣きながら謝罪した。26歳の誕生日となったこの日、バンコク国際空港に降り立っても元気はなかった。「こんなふうに誕生日を迎えるとは思わなかった」。チームはオフになったが「部屋にこもります」とポツリ。誕生日ケーキを受け取ると、笑みを少し浮かべたが、バスに乗り込む足取りは重かった。
反省すべき暴走行為なのは間違いない。同時に、その闘志が岡田ジャパンにとって必要不可欠なことも、疑いない事実だ。2月の東アジア選手権中国戦で乱闘になった際に、駆け寄る選手が少なかったことに岡田監督は苦言を呈していた。今の代表にあって闘莉王と並び、闘志をむき出しにできる数少ないタイプだけに、MF遠藤も「相手も退場者が出ていたし、嘉人はもともと激しいプレーが身上。そんなに気にしていない。国際試合になればギリギリのところで戦うわけですから」と語った。
傷心の大久保のためにも、まずはタイ戦に勝ち、そして最終予選進出をきっちり決める。闘莉王は「あいつのために勝ちたい」と、言い切っていた。【広重竜太郎】
[2008年6月10日9時4分 紙面から]
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