頼もしい男が日本代表のピッチに戻ってくる。FW大黒将志(28=東京V)が20日の親善試合ウルグアイ戦で、1トップとして先発することが濃厚となった。ジャパンブルーのユニホームを着てプレーするのは、06年6月のW杯ドイツ大会ブラジル戦以来2年2カ月ぶりとなる。ウルグアイ戦は、9月6日のW杯アジア最終予選初戦バーレーン戦(マナマ)への最終テスト。司令塔となるMF小野伸二(28)とのコンビが、「古くて新しい」武器になるか試される。

 岡田監督の期待は大きい。「大黒はイージーなミスもまだあり、100%ではないが、(シュートでは)いいパンチがあり、動きだしも速い。点を取るということでは期待しております」。非公開練習を終えた後の会見で、同監督ははっきりと言った。

 大黒本人も、意欲を隠さない。「僕はいい動き出しをして、いいパスを出してもらいたいです」。今の大黒は、一瞬の動きだしで相手DFの裏へ抜けることができる。そこへピンポイントでパスを供給できる小野の存在が大きい。大黒は「伸二さんとは話をしなくても、いいパスを出してもらえる」と意思疎通を実感。前日練習ではほとんどのメニューで同組に入り、連係を深めていた。

 大黒は前回のW杯予選では、最終予選初戦の北朝鮮戦でロスタイムに決勝弾を決めるなど、勝負強さを見せた。得点力不足という課題を抱える岡田ジャパンでも、再び「救世主」としての役目が求められる。

 岡田監督はバーレーン戦までに、あらゆる準備が必要だと強調した。「遠藤も俊輔も(バーレーン戦に出場できる)確信に至っていません」。中村俊が出られない場合に備える意味でも、大黒&小野のコンビを確認しておきたい。

 2人ともオシム前監督が「古井戸」と例えたジーコジャパンの「常連」だった。だが、実はW杯予選および本戦で同時にピッチに立ったのはわずか1試合。W杯1次リーグオーストラリア戦の後半44分からの残り「1分」だけだ。その06年W杯以来2年2カ月ぶりに、大黒と小野が代表戦に戻ってくる。岡田監督の手によって「新たなオプション」になろうとしている。