「ドイツ組」がW杯アジア最終予選の大一番となるオーストラリア戦に向け、結束を深めていた。ブンデスリーガに所属する日本代表の大久保嘉人、長谷部誠、稲本潤一に元代表の小野伸二を加えた4選手が決起集会を開いていたことが28日、分かった。小野の呼びかけで18日にフランクフルトに集合。名物のソーセージを味わいながら、代表の現状やオーストラリア攻略法などを深夜まで語り合った。

 同じブンデスリーガ所属とはいえ、現地で日本代表選手が集結するのは珍しい。05年10月に中田英寿氏が欧州組を集めてウクライナで“反省会”を開いたことはあるが、当時は代表の東欧遠征中で、集まりやすい環境だった。今回は小野が所属するボーフムからフランクフルトは直線距離でも約200キロ。大久保と長谷部のボルフスブルクからは400キロもあり、車で片道5時間近くもかけての大移動だった。

 FW大久保とMF長谷部はオーストラリア戦に先発する可能性が高く、稲本も招集は確実。小野は昨年8月20日のウルグアイ戦で2年ぶりに代表復帰したが、ボーフムで出場機会が減少し招集は厳しい。それでも自らが中心となって、第1次岡田政権時代の98年W杯フランス大会から3大会連続で本大会に出場した経験を、仲間に伝えた。

 相手のエース候補のFWケネディは同じドイツのカールスルーエに所属する。敵の特徴など情報交換をするだけでも有意義な話し合いになった。選手の1人は「顔を合わせただけでもお互い刺激になる。いろいろ熱い話ができた」と収穫を得た様子だった。