14年W杯ブラジル大会に向けた本番が早くも来年9月に始まることになった。日本協会の小倉純二会長(71)は7月31日、アジアサッカー連盟(AFC)理事会から帰国し、同大会のアジア予選の日程が決まったことを明らかにした。日本が登場する3次予選は11年9月2日に開始。南米予選のスタートに合わせたものだが、前回大会より5カ月以上も早いスタートの裏には、巻き返しを狙う西アジア諸国の思惑もあった。

 W杯の興奮から1カ月もたたないうちに、4年後のW杯へ向けての日程が固まった。7月30日にクアラルンプールで行われたAFC理事会で承認されたのは、アジア枠が4・5と仮定した日程。正式決定は枠が確定する12月の国際サッカー連盟(FIFA)理事会後になるが、小倉会長は「もう変わらない」と確定案であることを明かした。

 10年大会予選5位までが3次予選までシードされるため、日本の初戦は11年9月2日。過去2大会の予選初戦は大会2年前の2月だから、半年近く早い。FIFAの「世界的に予選ムードを盛り上げる」という方針に従い、アジアの本格的予選開始を3年前の秋に開幕する南米予選に合わせたのが公式な理由。しかし、前倒しの裏にはサウジアラビアやイランなど西アジア諸国の思惑も見え隠れする。

 南アフリカ大会出場は、日本、韓国、北朝鮮の東アジア3カ国とオーストラリア。1カ国も出場できなかった西アジアの強豪は、ブラジル大会目指して早くから準備をしている。次期監督も決まらない日本には、予選前倒しはハンディになる。「我々の準備が整わないうちに倒してしまおうということだろう」と小倉会長は話した。

 来年の日本代表は1月のアジア杯(カタール)で覇権奪回を目指し、7月には南米選手権(アルゼンチン)にも招待されている。9~11月の3次予選5試合では、疲労がたまっていることは間違いない。組み合わせによっては、78年大会から前回まで連続出場していた西アジア諸国に足をすくわれる可能性もある。