次期日本代表監督の後任人事が遅れている問題で、日本サッカー協会の大仁邦弥副会長(65)は16日、渡欧中の原博実強化担当技術委員長を中心の交渉継続を強調した。交渉中の監督候補との合意が遅れていることについて「ここまで延びるとは思わなかった。(見通しが)甘いと言われても仕方がない」と、手際の悪さを率直に認めた。また前夜、原委員長からの国際電話で「遅れて申し訳ない」と謝罪され「頑張れ」と激励したことも明かした。

 この日、日本協会では小倉会長、田嶋専務理事、協会の副会長を兼務する大東チェアマンの4者で善後策を協議。具体的な候補者名、交渉経過はこれまで通り小倉会長、大仁副会長のみにとどめ、田嶋専務理事にも詳細は告げなかったという。

 9月4日の親善試合パラグアイ代表戦(日産ス)は代行監督の可能性が極めて高いが、大仁副会長は「新監督にメンバーも選んでもらい、試合も見てもらいたい」と望みは捨てていない。その上で「代表発表は25日か26日を考えている」と、メンバー発表の日程にも言及した。日本協会は元ポルト監督のビクトル・フェルナンデス氏(49)を最優先に交渉を進めていたが、難航したこともあり、第2候補のマルコ・ファンバステン氏(45)とも並行して交渉を開始した。原委員長は早期合意を目指し欧州で粘り強く交渉に当たっている。

 一方、パラグアイ戦チケットは16日現在で3万強(満員約6万5000)、7日グアテマラ戦(7日=長居)は同1万2000枚(同約4万)と、まずまずの売れ行き。パラグアイとのリベンジマッチを新監督で華々しく迎えるか、代行監督でお茶を濁すか、すべてはここ数日間の原委員長の交渉にかかっている。【井上真】