【グアム(米国)17日=福岡吉央】ロンドン五輪出場を目指すU-23(23歳以下)日本代表候補に、当地で自主トレ中のアトランタ五輪銀メダリスト・ソフトバンク松中信彦外野手(38)が「チームが1つの目標に向かってやることが大事」とエールを送った。これを聞いたFW永井謙佑(22=名古屋)は「オレたちが金メダルをとって超えてみせます」。アジア最終予選突破を前に、五輪V宣言まで飛び出した。

 関塚ジャパンが午前の練習を終えた直後の陸上競技場。数人の選手が筋トレをする目の前でダッシュを繰り返していた松中は、日の丸を背負う若きイレブンの姿を目にし、熱く語り出した。

 「世界を経験することはすごくプラスになる。相当プレッシャーもかかると思うが、日の丸を背負ってプレーする喜びを感じながらプレーしてほしい。誰がゴールしたとかではなく、勝つことによって個人の評価も得られる。チームが1つの目標に向かってやることが大事だと思う」

 松中は96年のアトランタ五輪、00年のシドニー五輪に出場。社会人22歳で挑んだアトランタ五輪では銀メダルを獲得。決勝のキューバ戦では同点満塁弾も放った。予選リーグ中はプロ入りを目指す若手が個人をアピールしようとし、チームはまとまりに欠けていたが、決勝トーナメントを前にベテラン投手だった杉浦正則(前日本生命監督)が「日本のために働かないといけない」とゲキ。チームが1つにまとまり「勝つことの喜びを教えてもらった」ことは、プロ入り後の野球人生にも大いに役立っているという。

 「九州の選手には頑張ってほしい。永井くんにはアビスパに来てほしかったね」と、松中から名指しで激励を受けたFW永井は大興奮。「まじっすか?

 あいさつにいかないといけないですね。ソフトバンクだったら入ったんですけどね。サッカーでは満塁本塁打は打てないけど、オレたちが金メダルをとって超えてみせます。その前にしっかり予選を通過できるように頑張ります」と、ロンドンでの金メダルどりを誓った。

 主将のMF山村も「うれしいですね。目指すところはどの競技も同じなので、参考になります」と感謝感激。ジャンルは違えど、五輪を経験した球界を代表する打者の金言は、選手たちの胸にも強く響いた。