ロンドン五輪出場を狙うU-23(23歳以下)日本代表が、アジア最終予選第4戦シリア戦で敗れた。C組首位だった日本は初黒星を喫し、総得点差で2位に陥落。残り2試合で自力1位突破が消え、5大会連続9度目の五輪出場へ黄信号がともった。

 “1トップコンビ”によるゴールは、空砲に終わった。日本は0-1で迎えた前半ロスタイム、FW永井謙佑(22=名古屋)が同点ゴールを決めた。FW山崎亮平(22=磐田)の負傷退場により、緊急投入されたFW大迫勇也(21=鹿島)がアシストした。劣悪なピッチでの戦いの中、関塚ジャパンの誇る2人の点取り屋が躍動したが、勝利にはつながらなかった。

 無情にも、試合終了を告げる笛が鳴り響く。永井はしゃがみ込み、ぼうぜんとピッチを見詰める。大迫は、表情を変えずに相手選手と握手を交わす。2人の姿から、敗戦へのショックがにじみ出ていた。

 1点を追う前半ロスタイムだった。大迫が中央でDF鈴木からのパスを受けると、さらに前の永井へ、フェイント気味に絶妙なスルーパス。これを永井が倒れながら右足で押し込み、試合を振り出しに戻した。最終予選初ゴールは、関塚ジャパン最多の10得点目。それでも、後半は勝ち越せるチャンスをものにできず、結果は敗北。永井は「点を取りにいく気持ちでやっていた。しっかり前線が決められなかったから、こうなりましたね」と責任を背負い込んだ。

 この予選4戦目にして、永井は初めて1トップで先発した。しかし前半18分に山崎が負傷退場すると、大迫がスクランブル発進。永井が左サイドに回り、大迫が1トップの布陣となった。この不測の事態が、チームの歯車を狂わせてしまったのか。

 わずか1分後、相手FKをクリアしようとジャンプした大迫だったが、頭をかすめたボールはGK権田の手もすり抜け、先制ゴールを許した。“オウンゴール”は、自分で取り返す。巻き返す姿勢が永井へのアシストにつながったが、自ら得点を挙げることはできなかった。「僕らのサッカーができず、悔しかった」。高校時代までは土のグラウンドで練習。昨年3月の震災によるクラブ活動中止期間も、学校近隣に人工芝の練習場があるにもかかわらず、初心に戻る一心で母校で汗を流した。ところどころ芝がはげたアンマンのデコボコピッチでのプレーに自信を見せていたが、結果に結び付けることはできなかった。

 五輪出場へ、日本は不利な状況に立たされたが、戦う以上、ゴールを狙うことに変わりはない。永井は「残り2試合を勝って、得失点差が関係してくるので、取れるところで取ってチームに貢献していきたい。このチームは得点力が弱いので、決めていくしかない」と言葉を振り絞った。2人の点取り屋は、チャンスがある限り、あきらめない。