<アルガルベ杯:日本3-4ドイツ>◇アルガルベ・スタジアム

 なでしこジャパンが、たくましく散った。FIFAランキング3位の日本が同2位ドイツに敗れ、準優勝に終わった。

 アルガルベ杯からMF沢穂希(33=INAC神戸)に代わって主将に就任したMF宮間あや(27=岡山湯郷)が、大会MVPに輝いた。この日は左サイドではなく、体調不良で欠場した、その沢のポジションのボランチでプレー。ドイツの激しいマークに遭いながら、試合を組み立てた。なでしこが一時同点とした3点目は、中央の宮間が正確なフィードで大きく右DF近賀に展開。そこからパスが中央へつながって奪った1点だった。

 沢不在の中、2点のビハインドから、2度も追い付いた。最後はわずかに及ばず準優勝となったが、価値ある一戦となった。それでも新主将の責任からか、宮間に笑顔はなかった。試合後「ドイツは選手たちが若返って、違う質のサッカーをしてきた。良い経験になったと思います」とチームの成長を認めた上で「結果を残せなかったことにすごい責任を感じます。ここまできて優勝できなかったことが自分たちの力不足、自分の力不足だと思います」と反省した。

 だが、ロンドン五輪へ向け、宮間を中心に、沢抜きでも戦える自信を得たのは大きい。宮間は予選リーグ最終戦の米国戦でもCKからFW高瀬の決勝ヘディングゴールをアシスト。チームをけん引した。「新しく組むメンバーとも声をかけあって精いっぱいやったと思うので、それには誇りを持ちたい」。宮間にとって準優勝という結果以上に大きなものをつかんだ大会だった。