シンジだけでなく、オレもビッグクラブにふさわしい。W杯アジア最終予選を戦っている日本代表MF本田圭佑(25=CSKAモスクワ)が、マンチェスターUが公式ホームページで獲得合意したと発表した日本代表FW香川真司(23)についてライバル心をむき出しにした。5日、埼玉県内での代表練習後「日本人として誇らしいが、ライバルとして自分もビッグクラブにふさわしい」と、存在価値を誇示した。

 香川の移籍話が、本田の強いプライドをくすぐる。3日後のヨルダン戦を控えた練習後、マンチェスターUが香川の獲得合意を発表したことについて聞かれると、まばたきもせず目を光らせる。同僚の朗報を祝いながら、ライバル心をたぎらせた。

 本田

 まだ正式じゃないと聞いてるが(香川)シンジは世界のトップクラブでプレーするにふさわしい選手。日本人として誇らしいが、ライバルとして自分もビッグクラブにふさわしい選手だと思うし、シンジをいい形でしっかりと後ろからサポートしていければと思う。

 1歩も引かない。むしろ自分の存在を誇示した。

 本田にとっても強豪チームへの移籍話は、ひとごとではない。今年1月にセリエAの強豪ラツィオへの移籍が成立目前まで行ったが破談。移籍金は1600万ユーロ(当時約16億円)といわれた。

 マンチェスターUと肩を並べる強豪Rマドリードでプレーすることを目標として公言してきた。3月の欧州CL・Rマドリード戦(アウェー)はケガのためベンチ外となったものの、モスクワへの帰路で「将来の自分のチームを拝見できた」とまで言っている。代表でともにプレーする香川がマンUに行く現実は、力を認め合う本田にとって当然であり、必然であるに違いない。

 注目度にも、満足する気はない。3日のオマーン戦はテレビ平均視聴率が関東地区で31・1%と、今年放送された全番組(関東地区)で30%を初めて超えた。自身も国際Aマッチでは11年8月10日韓国戦(札幌ドーム)以来となるゴールを決めたが、本田にとっての大台ははるか先のようだ。

 本田

 30%超えてもよく分からないけど、3人に1人なんだと「少ないな」ぐらいの気持ち。

 ヨルダン戦へ、気持ちは切り替わっている。

 本田

 (ヨルダンは)しっかりチームとして守備が組織されている印象がある。読みにくい攻撃をすることが大事になる。バリエーション、人数をかけた攻撃がしっかりできるか。この間(オマーン戦)より質を上げていかないと。

 世界に本田の価値を知らしめる最終予選でもある。【今井貴久】