5大会連続のW杯出場に王手をかけたサッカー日本代表に朗報だ。次戦のW杯アジア最終予選ヨルダン戦(13年3月26日)から、勝利給が50万円にアップすることが16日、分かった。2-1で勝利を収めたオマーン戦まで、同予選に勝てば選手1人あたり30万円が支給されていたが、初めて金額が変更される。すでに選手には説明されており、今後日本協会の理事会をへて決定される見通しだ。

 日本代表の勝利ボーナスは、試合のランクにより異なるが、親善試合を含めてすべてのAマッチが底上げされた。特に、上から2番目の「Aランク」はW杯予選が含まれ、1勝30万円から50万円へ20万円アップされる。原博実技術委員長は「以前から待遇改善には動いていた。理事会で承認されないといけないので、次の試合からになると思う」と説明した。予定通り進めば、5大会連続W杯出場が決まる可能性のある、アウェーでのヨルダン戦から実施される予定だ。

 当初は14日のオマーン戦からの実施を模索していたが、来年までずれ込んだ。しかしW杯王手をかけたこのタイミングは、選手にとってモチベーションアップにもつながりそうだ。すでに勝ち点13で2位オマーン、オーストラリアと8差で独走状態。次戦ヨルダン戦では、引き分けでも他国の結果次第で出場権を獲得する。そうなればW杯出場ボーナスも加わるが、勝ってブラジル行きの切符を取ることが理想的。もちろん日本代表にとっては、プラスに働く。

 以前から日本プロサッカー選手会(JPFA)と日本サッカー協会との間で話し合われていた選手待遇が、ようやく一部改善された格好だ。10年12月から、選手会が、日本代表での勝利給が、世界基準より低すぎることなどを理由に、交渉を続けていた。欧州の代表チームの勝利給はケタ違いに高く、まだ世界との差は大きい。ただ、大きな前進であることには違いない。

 今後、日本がW杯などの舞台で世界のトップに近づけばその分、待遇面でもさらなる増額へとつながるはずだ。今回の勝利給アップは、そのための大きな1歩となる。