【ブラジリア17日】日本代表MF遠藤保仁(33=G大阪)が、イタリア代表MFピルロ(34)との「レジスタ対決」を制し、苦境のザックジャパンをよみがえらせる。日本はブラジリア市内でコンフェデレーションズ杯イタリア戦(19日、レシフェ)に向けて調整練習を行った。ブラジル戦惨敗のショックが残る中、不動の司令塔遠藤はイタリア戦に備え調整に励んだ。

 いつものようにひょうひょうと、プレッシャーとは無縁のような口ぶりだったが、言葉には決意がこもっていた。ブラジル戦惨敗のショックが残るチームの中、遠藤は「1、2試合で判断するのではなく、次で結果を出して成長していければいい」と言い切った。

 なすすべがなかったブラジル戦だが、日本が誇る司令塔は再浮上へのヒントを見つけていた。「ブラジル戦でも良い時間はスムーズにパスが回っていた。悪い時のポジショニングを修正すれば」。現在、進んでいるスタイルに少しばかりの手応えも感じていた。

 イタリアには「レジスタ(演出家)」と称され、守備的MFの位置からゲームメークをするFKの名手ピルロがいる。16日のメキシコ戦でも豪快なFKを決めている。遠藤とはスタイルも似ており、年齢も1歳違い。世界トップクラスの司令塔との直接対決に「まずはチームのことを考えたいですね」と強調したが、2人の出来が試合の結果を左右することは間違いない。

 日本代表でのFKゴールは、10年6月24日のW杯南アフリカ大会デンマーク戦以来遠ざかっている。ブラジル戦でも直接FKは本田が積極的にキッカーを務めていたが、地点によっては遠藤もチャンスがある。事実、4日のW杯アジア最終予選オーストラリア戦の後半15分には直接FKを狙っている。国際AマッチでFKを決めた試合は3戦3勝。遠藤がピルロの眼前でFKを決めれば、W杯優勝国からの大金星獲得の可能性も広がる。

 16日の練習後にはザッケローニ監督に呼び止められ、異例とも言える約25分間にも及ぶ「青空会談」を実施。「監督が思っているサッカーと僕らが思ったこと。それができなかった時のアイデア。外から見るのと中でやるのとは違うので。意見を合わせました」。選手同士の距離感などの問題点を指揮官に意見した。

 この日の練習では終盤のダッシュもパンツをたくし上げる独特のスタイルで精力的にこなした。16日のイタリア戦もテレビ観戦。「強いチームですけど、自分たちのサッカーができればと思う」。背番号7が試合の流れをコントロールした時、苦境のザックジャパンに光りが差すはずだ。【菅家大輔】

 ◆レジスタ

 イタリア語で演出家という意味。サッカー用語では中盤の選手のタイプを表す。中盤のやや下に位置しパス中心に攻撃を組み立てる。