<国際親善試合:日本3-0グアテマラ>◇6日◇長居

 日本代表FW柿谷曜一朗(23=C大阪)が、わずか2試合でエースFW本田に自身の存在を認めさせた。舞台はC大阪の本拠地長居。本田とともに後半開始から出場し、得点にこそ絡まなかったが、本田ら攻撃陣との連係で何度もチャンスを演出した。

 「(得点を)取れるだけ取ろうと思っていた。(代表合宿での)時間がない中で、試合でどれだけ合わせられるか。(個人での)仕掛けはいつでもできるので、連係を意識していた」。象徴的だったのは後半27分。自陣で香川からパスを受けると、約50メートルのドリブルで敵陣に迫り、走り込んだ本田にスルーパス。相手DFがクリアでCKに逃げ得点できなかったが、個の力でゴールを生み出せる可能性を感じさせた。

 後半21分にも左の香川からパスを受けると、反転してダイレクトで背後の本田にパス。本田、工藤の得点シーンではともに逆のサイドに走り込んで相手DFを引きつけ、ゴールをお膳立てした。そんな頭脳的なプレーの数々を、本田も迷わず絶賛した。

 「(柿谷の可能性は)計り知れない。まだ数試合しかしていないのが、うそのように溶け込んでいる。どこでボールを受けて、どこにボールを出せばいいのかが分かっている。強い相手とやってどれだけまたやれるか。今までの日本代表FWは大きいけど足元が足りないとか、逆に足元がうまいだけとか、そういうタイプだったけど、曜一朗はすべてを兼ね備えている」

 代表通算4試合3得点の柿谷だが、本田とともにプレーしたのは8月のウルグアイ戦とこの日のわずか2試合。来年のW杯までに残された試合は少ないが、2人の縦のラインがさらに強固になれば、世界を相手に日本が得点できる可能性が広がりそうだ。【福岡吉央】