予想ダコ「パウル君」の奇跡から3年-。日刊スポーツでは、14年W杯ブラジル大会1次リーグの組分け抽選を前に、タコ予想を実施した。千葉県富津市からやって来たイイダコ「フッツ君」が、各ポット(P)から日本(第3P)と同組を抽出した。ザックジャパンの命運を勝手に握った“フッツジャパン”は、ドイツ(第1P)ナイジェリア(同2P)オランダ(同4P)との対戦と予想した。注目の抽選は日本時間7日午前1時(現地時間6日午後1時)から、ブラジル・コスタドサウイペで行われる。

 世界一のタコ消費国・日本で新たな奇跡が起こる!?

 フッツ君は11月24日、富津岬の沖合約10分、水深15メートルでオファーを受けた。体長20センチ。パウル君=マダコ(約60センチ)より小さいが、敏しょう性にすぐれる。ザッケローニ監督の言う「日本の特長」にぴったりだ。

 会場は東京・エプソン品川アクアスタジアム。人気のイルカステージの裏に、専用スタジアムが“建設”された。相手国旗を水槽の周囲に並べ、8本足で「歩いて」選んでもらった。

 【予備抽選】水温20度の水槽からフッツ君が飛び出す。塩分濃度34・7‰、アルカリ性のpH8・02。何だか難しいが、海水に近いらしく好調だ。アクリル製ピッチに立つや左サイドをオーバーラップ。欧州9カ国からイタリアに決めた。

 【第4P】本抽選は日本の対戦順に予想した。初戦は欧州勢。最初はギリシャへ向かった。「いいぞ」もつかの間、オランダ→イングランド→再びオランダで硬直した。先月に続く再戦だ。飼育関係者によると毎晩、抽選本番と同じ午前1時ごろ活発だったとか。単に夜行性…いや、強豪を引く気まんまんだったのだ。

 【第1P】続いてシード国。体に縦ジマが入った。興奮している証拠だ。力強くコロンビアへ向かった。13秒後、動きを止める。即決…と思わせ、再び吸盤に力がみなぎった。逆立ちする勢いでドイツへ接近。周囲の悲鳴も耳にタコ?

 FIFAランク2位、W杯優勝3度、予選で欧州最多10戦36得点の強国を選んだ。

 そのドイツの「パウル君」が3年前、世界的に注目された。10年W杯南アフリカ大会でドイツの全7戦と決勝の勝敗をすべて当てた。同じタコ?

 そう言うなかれ。当時は2択、今回は8択だ。確率もパウル君は「256(2の8乗)分の1」だが、フッツ君は「512(8の3乗)分の1」と難易度2倍なのである。

 【第2P】最後はイタリアへ。しかし、欧州3カ国の同組はない事情を察知したのか、その場を離れた。カメルーンとアルジェリアを2往復し、最後はナイジェリアに手(足?)をかけた。9月に勝ったガーナ、南米勢では劣るエクアドルもいたが、フッツ君は厳しいオスだった。大役を終えて水槽に戻ると、満足げで軽やかな泳ぎを披露した。

 【フッツ君の予想】

 ドイツ、ナイジェリア、日本、オランダ

 フッツ君を飼育する加藤はじめさん(30)は「どこも手ごわそう」と苦笑いした後、こう続けた。「イイダコは白くて丸いものを好む習性があるんです」。すなわち白星-。厳正に予想を全うした彼は、くじ運はなくても勝ち運は持っているのかも。結果やタコに…いや、いかに。【取材・構成=木下淳】