<アジア杯:日本1-0イラク>◇1次リーグD組◇16日◇ブリスベン

 MF長谷部誠主将(30)がピッチ上の監督として、チームを引っ張った。決められれば追い付かれる1-0の状況で、終盤に何度もピンチを迎えたが、慌てずにボールを回して、前がかりに攻めようと焦るイラクをいなした。

 「イラクはあまり前から来なかったし、無理せずに後ろで回せるなら回そうと話していた」。監督からの指示ではなく、自分たちと相手の状況を見極めていた。効果的にボールを回したことで、結果的にはイラクの足が完全に止まり、後半は決定機を作らせず、省エネサッカーで逃げ切った。

 試合2日前の14日の練習後に、アギーレ監督の告発受理と地元スペインで報道された。周囲がざわついても「特に影響はなかった。選手はみんな集中できている」と若い選手を含めた、全員の成熟を感じ取っていた。選手だけのミーティングも「やる必要はまったくないと思う」と意に介さず、イラク戦へ向けて雑音は耳に入らなかった。

 離脱した試合をのぞいて、主将を継続しているが「今でも主将については思うところはある」と言う。だが指揮官からの信頼が厚いことは、この日のプレーが証明している。