日本サッカー協会の大仁邦弥会長(70)は3日、東京・JFAハウスで八百長疑惑の告発状がスペイン・バレンシア裁判所によって受理されたことが確認できたとして、日本代表のハビエル・アギーレ監督(56=メキシコ)を解任することを発表した。

 代表監督の電撃解任にアギーレジャパン経験者は硬い表情を浮かべた。3日、宮崎市内で合宿中の鹿島の4人は午後の練習後に取材対応。昨年9月のベネズエラ戦で代表初出場初ゴールを決め、出番を増やしたMF柴崎岳(22)は、キャンプ視察中の元日本代表DF秋田豊氏(44=日刊スポーツ評論家)の取材に「代表の第1歩を踏み出させてくれた監督ですし、感謝の気持ちはあります」と神妙に話した。

 1月のアジア杯準々決勝UAE戦では同点ミドルを決めており、アギーレ体制で最後の得点者になった。今後は、新監督へのアピールを再び始めなければならなくなったが「監督によってやり方は変わっても、自分のやり方を変える気はないです」と冷静だった。

 昨年10、11月、アジア杯と3回連続で招集(10月は負傷で辞退)されたDF昌子も複雑な表情だった。大声で指示を出せる部分を評価されたことが最も印象に残っているといい「熱い人で自分は好きでした。『90分間しゃべり続けられる選手は少ない。引退するまで続けろ』と言ってもらった。守りたい」と振り返った。10月に呼ばれたDF西は「縁あって呼んでもらった監督だし、幸運を祈りたい」。追加招集でアジア杯に参加したDF植田は「何も言えません」とだけ話して練習場を後にした。【木下淳】