C大阪の日本代表MF山口蛍(24)が、アウェー千葉戦に強行出場し、執念ドローに貢献した。後半35分には一時は勝ち越しとなるFWフォルランの2点目を左クロスでアシスト。痛み分けに終わったが、代表解散の翌日にJ2に出場するなど執念を見せた。

 MF山口は志願の強行出場で引き分けに貢献した。ウズベキスタン戦を終えた3月31日深夜、日本代表からC大阪に合流。アウトゥオリ監督へ出場を直訴し、昨年負傷した右膝にはテーピングをしっかり施してフル出場した。2点差を追い付き、同点で迎えた後半35分にはフォルランの一時は勝ち越しとなるゴールをアシストした。

 代表解散、翌日に試合出場という経験のない強行軍だったが、主将は「準備はしていた。もっと体が重いかなと思ったけど、動けていた」と納得の表情。指揮官も「最高のプロとして、自己犠牲と苦労をいとわないタフな精神を見せてくれた」と称賛した。

 ハリルホジッチ代表監督の求める縦に早いサッカーを意識した。C大阪も同じ攻撃のスタイルをとっており、後半は山口のパスからチャンスを迎えた。1度は逆転しながら千葉に再びリードを許して、最後はDF山下の同点弾で今季初黒星を阻止した。2勝3分けの5位で首位をうかがう。山口は「チームでも代表と同じものを求められている。まずチームでいい働きをしたい」と冷静だった。【保坂恭子】