<手倉森監督への推薦状>

 浦和は松本を下して勝ち点を10に伸ばし、単独首位に立った。

 今季リーグ戦初先発の浦和MF関根貴大(19)は、期待に応え大活躍。5バックで固める松本の守備ブロックを、得意のドリブルでこじ開けました。

 決勝ゴールは関根の演出です。後半40分。右サイドでドリブルを仕掛けて相手DFをひきつけると、左後方でフリーのDF森脇にパス。左足25メートル弾につなげました。決めた本人は「まぐれ」と笑いますが、関根によるお膳立ては決して偶然ではありません。

 前節まで松本はパス数が全18クラブ中18位で、クリア数は1位。J1で最も堅守速攻を重んじるチームです。ペトロビッチ監督は「引いて守備を固めて来る相手には、ドリブルで1、2枚とはがせる選手が必要」と、関根を起用しました。

 関根は前半から右サイドを何度も駆け上がりました。チーム1位の11・61キロを走りつつ、時速24キロ以上のスプリント回数も同2位の24回。森脇の得点直前の後半35分には、ドリブルで3人かわし、ゴールエリアにまで切り込みました。得点には至らずとも、徐々に相手選手は関根に引き付けられていきます。その分、後方で森脇は終始フリーに。関根は「森脇さんからも、自分を使ってほしいと言われていました」と内幕を語りました。

 19歳ながら非常にクレバー。プロ1年目の昨年からリーグ21試合2得点と活躍しましたが「最初は勢いでやれる」と首を振っていました。自分を客観視しすぎて「このままでは2年目のジンクス」と悩み、春先から元気を失っていました。

 指揮官から明確に、自分の持ち味を出すことを求められた試合で、関根はのびのびとプレーしました。これを機に1つの壁を乗り越え、今後はさらに成長していくことが期待されます。08年北京五輪で日本代表を率いた松本の反町監督も試合後「関根はいいね。ほしい選手」と絶賛していましたが、U-22日本代表には彼のようなタイプがいないようにも見受けられます。よろしければ候補リストに「関根」と書き加えていただきたいと思います。【塩畑大輔】

 ◆関根貴大(せきね・たかひろ)1995年(平7)4月19日、埼玉県生まれ。中学から浦和の下部組織でプレーし、10年のU-16日本代表から各年代の代表も経験。ユース時代の13年10月の天皇杯3回戦山形戦でトップデビュー。14年にトップ昇格。リーグ戦の2得点いずれも決勝点と活躍。167センチ、63キロ。