温存策が裏目に出た鹿島が、6連敗中の最下位甲府に不覚を取った。前節4月29日の仙台戦から先発6人を入れ替え。3日後にアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)1次リーグ突破をかけたFCソウル戦を控えているための戦略だったが、攻守の歯車がかみ合わない。後半2分に失点すると、引いて守る相手を崩す糸口を見つけられないまま今季初の無得点。試合後、激しいブーイングが浴びせられた。

 不運も重なった。前半19分、U-22日本代表DF植田が攻撃のCK時に負傷。相手DFの左肘が顔面に入り、歯が唇を貫通した。「やれる」と主張したが流血が激しく、縫合のためドクターストップ。さらに後半29分、DF青木が唇から顎にかけて縫う大けが。両センターバックのアクシデントで波に乗れなかった。

 最下位に敗れ、今季初先発のDF伊東は「誰が出ても勝たないと」と反省。トニーニョ・セレーゾ監督(60)も「後半は負けに値する内容。ACLでは最低でも今日以上のプレーを見せたい」と、切り替えを強調するしかなかった。