今季無敗(8勝3分け)の浦和が難敵鹿島に逆転勝ちし、首位をキープした。

 最近9戦負けなし(4勝5分け)の相手をホームに迎え撃つ。“お得意さま”相手に主導権を握りたいところだったが、前半は鹿島がペースを奪った。12分にMF遠藤の右クロスをFWジネイがヘッド(ゴール左へそれる)したのを皮切りに、14分にジネイ、18分にMF柴崎、36分にジネイとMFカイオと次々とシュートを打つ。得点は奪えなかったが攻め続けた。

 対するホーム浦和は決定機をなかなかつくれない。17分にDF槙野の突破から左クロス、中央で受けたMF武藤が左足で放ったシュートくらいしか大きなチャンスがない。23分に得たMF柏木の直接FKもゴール右に外れてしまった。

 鹿島は前節広島戦で失点につながるミスをしたGK曽ケ端が今季2度目の先発落ち。代わって佐藤がゴールを守った。さらに日本代表センターバックの昌子が左サイドバック、新外国人のFWジネイが初先発と大きく陣容を変え、首位浦和戦に挑んだ。前半は0-0だったが、鹿島が苦手チーム相手に一方的に攻めた。

 後半は静かな展開が続いていたが、22分に動く。鹿島の柴崎がゴール前に大きくロングパスを送る。これを相手DF森脇が頭でクリアしようとしたが、はね返せず後ろへ飛ぶ。これがゴールに吸い込まれ、先制のオウンゴールとなった。

 しかし、浦和もすぐ追いつく。MF李に代わって途中出場したFWズラタンが右サイドを突破。クロスを上げると、中央で武藤がマークを振り切っていた。フリーで頭を合わせ、豪快にゴールネットに突き刺す。今季4点目で試合を振り出しに戻すと、チーム全体が勢いに乗った。38分、中盤でボールを奪い、MF阿部から左サイドのMF関根へパス。切り返して右足で打ったシュートが、クロスバーに当たって下に落ち、ゴールラインを割る。若手のホープの一撃で勝ち越した。これが決勝点となって試合終了。両チームの勝ち点差は15まで広がった。