川崎Fが敵地で3点を奪い、今季9勝目を挙げた。

 先制はアウェーの川崎Fだった。前半8分、ペナルティーエリアに走り込んだMFエウシーニョが縦パスを受け、相手マークを振り切る。右方向に流れながら右足を振り、ゴールに流し込んだ。

 対する鹿島は日本代表MF柴崎が今季初の欠場。ベンチ外でスタンドから戦況を見守った。「心臓」の不在でチームはリズムがつかめず、好機をつくれない。11分にMF金崎がクロスバー直撃シュートを放ったが、それ以外はチャンスがなく攻められ続けた。

 すると34分、川崎Fが追加点を奪う。ゴール右でボールを受けたFWレナトが切り込み、ボックスの手前から左足でミドル。得意の形で弾道は美しい軌道を描き、ゴール右上に突き刺さった。

 追う鹿島は何とか1点を返す。44分、MF金崎が左足でミドルシュート。レナトの失点と同じような形で意地のゴールを奪い、1点差として前半を終えた。

 後半が始まると、早々に川崎Fが得点を加えた。2分、カウンターからFW船山が持ち込み、グラウンダーのアーリークロス。最終DFの奥で受けたFW大久保が右足で冷静に決め、突き放した。この時点で得点ランク1位に並ぶ通算11点目を挙げた。

 鹿島も粘る。14分、柴崎に代わってボランチで先発した青木が攻め上がって左クロス。FW赤崎が走り込み、右足の甲でとらえてゴールに押し込んだ。前節横浜戦で左膝の前十字靱帯(じんたい)と半月板を損傷し、全治8カ月の離脱となったFWジネイに代わる男が決め、1点差とした。

 その後は一進一退の展開が続いた中、川崎Fが後半32分にFW小林を投入。損傷した右膝半月板の手術を5月11日に受け、前半戦絶望とも言われていたストライカーが第1ステージ最終節で復帰を果たした。

 その後は鹿島が攻勢を強めたが、スコアは動かず。川崎Fが3連勝で締めくくり、鹿島は連勝なしで終戦となった。さらに01年の第1ステージ以来となる負け越しも決定。試合後は大ブーイングが響き渡った。