走るベルマーレに、強力な味方が加わった! 湘南に温浴施設と新ロッカールームが入った建物が完成し、3日から内覧会が始まった。これまでシャワールームしかなく、練習で疲れた体を癒やす温浴施設はクラブの悲願だった。「チーム強化募金」を募って工事費に充てるなど、地道な努力が実を結んだ。J1に昇格した今季は、走力を武器に第1ステージ10位と健闘。7日から稼働する温浴施設が加わり、第2ステージも走る「湘南スタイル」が加速しそうだ。

 前線からのプレスと速い攻守の切り替えで、リーグ1位の走行距離(チームの1試合平均117・389キロ)を誇る湘南に、悲願の温浴施設が完成した。敷地面積116・16平方メートルで、1階がお風呂、2階がロッカールームになっている。風呂にはシャワー8基と浴槽が3つ。温かい風呂と水風呂に交互に入って疲労回復を促進させる「交代浴」も可能になった。

 J1の現在18チーム中、松本以外の17クラブに温浴施設があり、中にはサウナも付いているクラブも存在する。湘南にはこれまでシャワールームしかなく、選手やスタッフから温浴施設を含めた環境整備が叫ばれていた。クラブは14年11月から今年5月末まで施設工事費として、サポーターから1口1万円の「湘南ベルマーレチーム強化募金」を募った。約1000人(団体も含む)から2850万円が集まり、建設費に充てられた。

 選手の利用は7日から始まる。走行距離個人ランク1位のFW高山も新施設に「中をのぞいたら、すごくキレイだった」と大歓迎し、「交代浴で体を休められる。体には優しいし、大きいこと。支援いただいた方には感謝しかない」と話す。チームは今季、J1昇格組の中ではトップの10位だ。高山は5得点を挙げたが「個人的にはもっと点も取れた。チームとしても、もっとできた部分はあるので少し悔しい」と満足はしていない。

 施設の入り口には「湘南スタイル~攻撃的で、走る意欲に満ちあふれた、アグレッシブで爽快なサッカー」と記された額が飾られている。13年はJ1昇格を果たすも1年でJ2に降格。だが、今季はひと味違う。スタイルを後押しする温浴施設が加わったことで、後半戦はさらに湘南の勢いが加速しそうだ。【岩田千代巳】