広島が「勝利の方程式」で年間首位に立った。33歳のエース佐藤が後半途中まで攻撃陣を引っ張り、東アジア杯の日本代表入りした20歳FW浅野が終盤を締めくくる。おなじみの交代劇で、第2ステージ(S)開幕4連勝。第1Sから続く不敗記録をクラブ新の10試合まで伸ばした。森保一監督(46)は「年間の34節、第2Sは17節が終わった時に我々が頂点にいて喜びたい」と真剣に話した。

 戦後70年。被爆地でもある広島にとっては特別なシーズンだ。森保監督と選手は本拠地の試合前に必ず、市内中心部にある平和記念公園を訪れる。同監督は「忘れてはいけないことがある。(戦争で)多くの尊い命が失われた。今の幸せな暮らしに感謝したい」。無傷の第2Sだけでなく、年間でも浦和を抜いて首位。タイトルへの思いは強い。

 前人未到の12年連続2桁得点に王手をかけている佐藤は真剣に言った。「まだ途中。1回(首位が)ひっくり返っただけでばか騒ぎしていては恥ずかしい」。この日はPKをドウグラスに譲り「節目の得点がPKは格好良くないから」と明かした。浅野も「得点が取れなかったことが悔しい」。広島の快進撃は、これからも続く。【益子浩一】