快進撃を続ける広島が、5得点の大勝で第2ステージ(S)首位を守った。主役はU-22(22歳以下)日本代表のFW浅野拓磨(20)だ。後半14分にエース佐藤と交代で出場。1点差に迫られた後半30分に、GK林のロングフィードを拾うと冷静にGKをかわしてゴールへ。同35分にもGKとの1対1をチップキックで沈めた。第1Sを合わせ今季8点目。その全得点が、途中出場でのゴールだ。

 これぞスーパーサブの神髄だ。心優しい7人兄弟の三男坊は、ピッチに入れば獲物を狙うヒョウのようだ。出場時間は限られても、この日も6分間で2発。浅野は「ボールが来たときに競り負けないことだけを意識した。落ち着いて決めることができました」と満足そう。俊足FWだが、森保監督は「スピードだけで点を決めているわけではない。プロとしての駆け引き、コンタクトを身に付けた上で、彼のスピードが生きるようになった」と褒めた。

 現時点ではFW佐藤に続く2番手。日本代表ハリルホジッチ監督には「クラブで先発を勝ち取っていない。A代表に入る資格を示す必要がある」と課題を突きつけられている。それでも現在、日本で最も得点力のある“控え”なのは証明済みだ。浅野は「A代表の意識は常にしています。僕らの年代がどんどん入り込まないといけない。今日は少しはアピールできたかな」と笑みを浮かべた。年間では首位浦和を勝ち点2差で猛追。富士山を望む敵地清水で、日本一のスーパーサブが輝いた。【益子浩一】