浦和FW興梠慎三(29)が、クラブに「勝ち癖」をつけるタイトルをもたらす。1月1日の天皇杯決勝G大阪戦に向け、31日は軽めのチーム全体練習で最終調整。

 終了後は「ちょっと腰を痛めた」と治療のため、急いでクラブハウスに引き揚げたが「でも大丈夫。出られます」とうなずいた。

 11月のJリーグチャンピオンシップ準決勝G大阪戦では、直前に首を痛めたため、出場できず。前線の柱を欠いたチームも敗れた。「今回も大事な試合で、相手もG大阪。やっと出られるという気持ちもあるし、タイトルも取れる。ゴールを狙っていきたいなというのはあります」と目を光らせる。

 浦和は近年、タイトルに何度も迫りながら、大事な試合で勝てずに涙をのんできた。鹿島時代には3大タイトル優勝を計7回も経験した“優勝請負人”として期待される興梠も、昨年もリーグ終盤戦のG大阪戦直前に右足を骨折するなど、大一番でなかなかチームの力になれなかった。

 今回の決勝は先発が濃厚。「オレも鹿島の時は上の人がいて、引っ張ってもらった」と経験を生かして自軍を引っ張る。

 「勝ちたいという気持ちも大事だけど、冷静にやることも大事。うちのチームは1点取られたら、全員が点を取り返しにいく。それもいいけど、2点目を取られたら試合は終わる。チャンスは来るから、それをきっちり決められるかどうかだけ。慌てることなくやれれば、こういう試合は勝てるいつも通りやれれば勝てる」

 去り際、報道陣に意気込みのコメントを求められると「任せとけ」と力強く言った。クラブの歴史は、背番号30の天才FWが変える。