J1磐田が2-0でJ3鹿児島を下し、無失点での3連勝で優勝した。格下との最終戦は控え組中心で臨みながらも、試合の主導権を握り続けて快勝。今大会は3試合を通じて計28選手が出場し、層の厚さを見せつけて初タイトルを手にした。

 磐田が無傷の3連勝で栄冠を奪った。J3鹿児島との最終戦は出番が少なかった控え組がスタメン出場した。前半17分、左CKからMFアダイウトン(25)の今大会初得点で先制し、同28分にはMF松井大輔(34)が豪快な右足ボレーで追加点。後半は押し込まれる場面はあったものの、粘りの守備で踏ん張った。同杯は3戦無失点での優勝。就任後、初タイトルを獲得した名波浩監督(43)は「勝つことに執着できた」と及第点を与えた。

 同監督が「ほぼ全部使えたことがよかった」と振り返ったように、今大会3試合には故障者を除く28選手を起用できた。新加入のDF高木和道(35)や高卒ルーキーFW小川航基(18)ら、新戦力も実戦を経験した。3季ぶりのJ1を戦い抜くためにはチーム全体の底上げが必要不可欠。DF高木は「けが人が(比較的)出ずにやれたことはみんなにとっていいこと」と手応えをつかんだ様子だった。

 今日11日、チームは16日間にわたる鹿児島キャンプを打ち上げる。帰静後は2試合の対外試合を行う予定。名波監督は「J1で戦う戦力はあるのでうまく生かしたい。シーズン中の負の波を小さくするためにチーム力を上げていく」との方向性を口にした。名古屋との開幕戦まであと17日。層の厚さで優勝した磐田は自信を胸に総仕上げに入る。【神谷亮磨】