秋田が1-0でG大阪U-23(23歳以下)を下し、開幕から7戦4勝3分けの無敗で、今季初の首位に立った。前半24分に決めたFW久富賢(25)の先制点を守りきり、今季2度目の完封勝ち。また昨年8月から続くホーム戦無敗を11にまで伸ばし、14年に金沢と町田がつくったJ3記録に並んだ。次節8日の敵地相模原戦に勝って、足場を固める。

 1点もあれば十分だった。前半24分、中央のFW久富がMF呉とのワンツーから抜け出すと、相手DFの捨て身のタックルをかわし、豪快に右足を振り抜いた。「今までホームで決めてなかった。ゴールをとるのが俺の仕事。みんなで決めたゴール」。久富の今季3点目となるゴールで一躍、首位に躍り出た。

 前節4月24日の盛岡戦では先制した12分後に追いつかれ、試合運びに課題を残していた。この日は前線から積極的にプレスをかけて相手を押さえ込み、ボールを持つ局面では保持し続けた。主将のDF山田は「コンパクトにラインを保てて、持たなきゃいけない時間にしっかりボールを持てた」と振り返る。

 守備ラインを押し上げることで間延びしていた中盤が引き締まり、シュートは前半の2本だけしか許さなかった。ハーフタイム時に、1-0で勝っているにもかかわらず大声で「顔を上げろ」と一喝し、チームを引き締めた間瀬秀一監督(42)は「守備で全体のコンパクトさを保てて、引いた守備にならなかった。ゲームをコントロールできた。あとは追加点をとらないとね」と満足げに話した。

 昨年8月から続くホーム無敗を11まで伸ばしJ3記録に並び、今季7戦4勝3分けでチームは勢いに乗る。就任2年目で「全員力」を掲げる間瀬監督は「秋田のサポーターはいい時だけでなく、昨年12戦勝てなかったどん底の時も寄り添って戦ってくれた。だから今のチームがある」と1751人のサポーターに感謝した。次節8日、敵地で相模原と対戦し、15日のホームでは富山を迎え撃つ。今は、負ける気がしない。【高橋洋平】