何とかしたい。その思いは報われなかった。後半24分、浦和は3失点目を喫し、広島に逆転を許した。直後にペトロビッチ監督は、先発から外していたMF柏木を投入した。しかし、柏木は右ふくらはぎの違和感で、直前2日間は別メニュー調整。軽くボールに触れる程度で試合を迎えた。「言い訳にはできない」と話したが、ベストコンディションには程遠かった。

 後半38分には、自陣ゴール近くで広島FW佐藤に横パスをさらわれ、得点を許すミスもあった。「人生で経験したことがないようなミス。みんなかばってくれるけど、誰のせいでもなくオレのミス」。試合終了後は、両手をあわせて周囲や観客に何度もわびた。スタンドから物が投げ付けられたように見える場面もあったが、わび続けた。

 チームは5試合ぶりに得点も、3連敗で第1ステージ優勝の可能性が消えた。何とかしてスランプのチームを救いたい-。その一心で、柏木は強行出場したが、結果は残酷だった。