新潟が1-0で鳥栖を下し、第15節大宮戦に続くホーム2連勝。3試合負けなしで勝ち点を積み上げ、15位から13位としてファーストステージを終えた。後半33分、FW山崎亮平(27)が今季初ゴール。これが決勝点になった。前半にGK守田達弥(25)が負傷交代するアクシデントがあったが、粘り抜いての勝ち点3だった。

 スタジアムが歓喜に包まれた。待ち望んだ瞬間だった。後半33分、DFコルテース(29)の左からのクロスにMF加藤大(25)がヘディング。ボールが左ポストに当たってはね返ったところを、山崎がとらえた。

 スタンドの歓喜を背に、山崎はベンチ前でチームメートにもみくちゃにされる。「とにかく得点したい」と常に言い続けてきた男がようやく決めた今季初得点。ホーム2連勝に導く貴重なゴールになった。

 全員、気持ちが入っていた。試合前の順位は新潟が勝ち点15で15位、鳥栖は同17で13位。勝てば確実に順位が上がる一戦。加えて、DF早川史哉(22)の急性白血病による闘病生活が公表されてから、初のホーム戦でもあった。

 入場時、新潟のスタメンは早川の背番号「28」をプリントしたTシャツを着てピッチに入った。スタンドには「早川史哉 勝利を掴め 俺らも共に闘おう!!」と激励の横断幕が掲げられた。チームとスタジアムの雰囲気は「必勝」で統一されていた。

 そんな中、いきなりアクシデントに見舞われた。前半15分、スルーパスに反応した鳥栖FW豊田陽平(31)とセーブにいったGK守田達弥がスライディングした状態で接触。守田が負傷退場し、GK川浪吾郎(25)と交代した。

 アクシデントにもチームは勢いを失わなかった。「俺たちが1月からやっていることをもう1度思い出そう」。ハーフタイムの吉田達磨監督(42)のげきに応えた。球際の攻防で引かず、セカンドボールを拾った。ねばり強さが山崎のゴールにつながった。

 3試合負けなしでファーストステージを締めくくった。セカンドステージにつながる土台はできている。【斎藤慎一郎】