川崎Fの五輪代表MF大島は狙っていた。代表バックアップメンバーの新潟MF野津田にミドル弾を見せつけられ、闘志に火が付いた。野津田の1発から3分後の前半38分、ペナルティーエリア外から豪快に同点ゴールを決めると珍しくガッツポーズ。今季2点目を「しっかり打とうと足を振った。右隅にいって自分でもビックリ」と振り返った。

 今季からクラブの日本人選手として初めて「10」を背負う。静岡学園高時代から憧れは、川崎FのMF中村だった。高い技術で相手をかわし、急所を突くパスはよきお手本。静岡学園の川口修監督には会うたびに「憲剛さんが同じチームにいることは自分にとってラッキーです」と口にしている。味方が助かって、相手にとって嫌なプレーを続けろ-。先輩の高い要求に応え、今季はゴールに近い位置でのプレーが増えた。シュートへの積極性も芽生え、年間勝ち点1位の躍進に貢献している。

 スタンドから見届けた負傷離脱中の中村は「得点に絡めたら、あいつはすごいことになっていく」と大島の成長に目を細めた。ブラジルに出発するまでの実戦はあと1試合。「次の磐田戦に勝ってから五輪にいきたい」。若き司令塔が、五輪前最後のリーグ戦も躍動する。【岩田千代巳】