2位浦和が2-0で甲府を下し、川崎Fを追走している。

 試合終了後。浦和MF高木俊幸(25)はピッチに崩れ落ち、立てなくなった。「最後の最後で動けなくなりました」。前半終了間際に左クロスでFW李の得点をアシスト。守備にも奔走した。力を出し切り、うまく動けずにいると、司令塔MF柏木から声をかけられた。「今日は合格点やで」。何よりうれしかった。

 厳しい「ダメ出し」に応えた。前節鹿島戦。FW興梠が五輪出場のためチームを離れたことで、高木は今季初のリーグ戦先発を果たした。しかし、後半12分に交代。試合後、柏木から「パスを引き出す動きが単調。守備にも死ぬ気で走らんと。あれではうちだけじゃなく、どこにいっても試合出られへん」と指摘された。

 「ダメになるにしても、言われたことをちゃんとやってからじゃないと」。引退した鈴木啓太氏から引き継いだ背番号13の重みもある。落胆しているヒマはない。甲府戦に向け、必死で調整を続けた。それがペトロビッチ監督の目にもとまった。再び先発起用。今回はインパクトを残した。

 柏木は「今回ダメやったら、もう言うのはやめにしようと思っとったけど、ホントよく頑張ってたね」とうなずいた。高木は「これが第1歩。興梠さんが戻ってきても、出場機会が続くように頑張りたい」と意気込みを新たにした。【塩畑大輔】