仙台はホームで広島と対戦し、0-2で敗れた。前半30分、後半33分に失点。好機を何度もつくったが得点を奪えず、2連敗となった。

 昨季王者を迎えた本拠戦は、終わってみれば完敗だった。相手を上回る18本のシュートを乱れ打ち、前後半ともに何度もスタジアムを沸かせたが、ネットは揺れなかった。試合終了の笛と同時に、選手たちはガックリと肩を落とした。

 会場に詰め掛けた黄色い観客が「入った!」と叫ぶ。しかし、ボールはゴールのわずか横。さらには相手GK林の好セーブの前に、仙台イレブンは何度も天を仰いだ。攻め上がり、シュートまで持っていく回数、狙い澄ましたシュートも多く、ゴールの雰囲気は漂っていただけにストレスがたまった。渡辺晋監督(42)も「強固と言われる広島さん相手に理詰めで崩し切ることができた場面もあった」と手応えを口にしていたが、無得点に終わった。

 決定力の差と隙の無さで相手が上回っていた結果だった。4本のシュートを打ったMF奥埜博亮(27)は「いい形の攻撃を(得点に)結び付けられなかった。1本のシュートで流れは来ていたはず。どれか1本でも決めることが自分の仕事だったが…」と唇をかんだ。夏の戦いもここまで。白星締めは逃したが「まだ上を狙える位置にいる」と奥埜。気持ちを切り替え、戦いを続けていく。【成田光季】