鹿島がセットプレーからの3発で完勝した。

 ホーム鹿島が先制した。前半25分、MF柴崎の右CKに日本代表DF昌子が頭で合わせ、地面にたたきつけてゴール左に決めた。元ギリシャ代表DFパパドプーロスに競り勝ち、今季初ゴールとなる先制弾。昨年7月25日のホーム東京戦以来となる得点だった。

 鹿島は負傷者が続出しており、ボランチが本職の柴崎が「1列前」の右サイドハーフで先発。右サイドバック伊東との連係で相手の最終ラインを破るなど攻撃のセンスを見せた。流れの中からではなかったが、セットプレーのキッカーとして先制点をアシストした。ボランチは、この日がJ1通算100試合目の出場となった永木と、主将の小笠原がコンビを組んだ。

 磐田は2年目のDF石田がリーグ戦初先発。守備リーダーの大井が長期離脱に追い込まれた中、前節神戸戦で4失点した守備陣を入れ替えたが、前半を無得点では折り返せなかった。1点を追う39分には、FWアダイウトンが右クロスに合わせてヘディングで狙ったが、大きく枠を外れた。前半のシュートは、この1本だけだった。

 1点リードで迎えた後半も鹿島が主導権を握る。4分に土居、6分にFW赤崎が立て続けにシュートを打ったが、ともにGKカミンスキーに防がれた。粘る磐田は磐田は20分に反撃。アダイウトンが右足で思い切って狙ったが、クロスバーを直撃。絶好の同点機を逃した。

 すると28分、鹿島がPKを獲得する。柴崎のスルーパスで抜けた鈴木がGKと1対1に。カミンスキーが足でセーブし、ボールに先に触っていたが、鈴木が倒れてPKの判定に。松尾主審が倒れた鈴木にイエローカードを提示したためシミュレーションかと思われたが、結局、カミンスキーの警告となってPKに。鈴木が自ら、右足でゴール右に決めてリードを広げた。

 さらに32分、小笠原が左サイドの直接FKを右足でゴール前に送ると、磐田FWジェイの頭に当たってゴールイン。名手のカミンスキーも苦笑いするしかなかった。このまま3-0で試合終了。鹿島は3試合ぶりの完封勝ちとなった。