浦和が10年ぶり国内タイトルを足掛かりに、例をみない“3週連続優勝”を目指す。決勝で宿敵G大阪を破り、YBCルヴァン杯優勝を果たしてから一夜明けた16日午前、チームはランニング中心の軽めの全体練習。同点弾を決めて大会MVPになったFW李は「昨日はうれしかったですけど、リーグ戦に向けて切り替えて準備します」と表情を引き締めた。

 昨季はリーグチャンピオンシップ準決勝、天皇杯決勝でG大阪に敗れるなど「大一番で勝てない」というレッテルが貼られていた。タイトル奪取でこれを払拭(ふっしょく)した今、見据えるのは悲願のリーグ年間優勝だ。

 次節22日はアウェー新潟戦。ここで勝てば、2節を残して第2ステージ優勝が決まる可能性がある。そうなれば、同時に年間勝ち点でも、2位川崎Fとの差が開く。次々節の29日アウェー磐田戦で、1節を残して年間勝ち点首位が確定する可能性も浮上してくる。

 ルヴァン杯優勝の数時間後から、事務所やクラブハウスにはお祝いの花が多数届きだした。この日はヘルタFW原口からも花が届いた。槙野などは数百通のメールを受け取った。しかし、ペトロビッチ監督は優勝直後「そんなにすごいことなのか」と不思議そうな表情を浮かべたという。すでに気持ちはリーグ制覇に向かっている。【塩畑大輔】

 ◆第15節新潟戦(22日)での第2ステージ優勝決定条件 現在2位神戸との勝ち点差が5で、3位川崎Fとの同差が6。新潟戦終了時点でこれらが7以上に広がれば、残り2節で逆転される可能性が消滅する。そのため浦和が勝ち、神戸、川崎Fがそろって引き分け以下なら、第2ステージ優勝が確定。

 ◆第16節磐田戦(29日)での年間勝ち点1位確定条件 現在年間勝ち点2位の川崎Fとの差は1。磐田戦終了時点で、これが4以上になっていれば、残り1節で逆転される可能性が消滅する。浦和が新潟、磐田戦で連勝し、川崎Fが広島、鹿島戦で合計勝ち点3以下に終わるなどの結果になれば、年間勝ち点1位が確定。